Coffee Journey Vol. 13「台湾:森悦高峰咖啡荘園 SEN-YUE High Peak」-Written by バイヤー小林
2025.01.31こんにちは、小林邦宏です。
世界を廻るCoffee Journey、今回ご紹介するのは台湾です。たくさんの方にきっと身近であろう台湾。でも、行くたびに新たな発見がある台湾。そんな奥深さに皆さん魅了されるのではないでしょうか。
さて、今回訪れたのは、台湾中部、南投県。

台中からはクルマで1時間ほどの山上りです。まるで日光いろは坂のような山道を進むと、ようやく待ち合わせ場所に到着。そこで、先方のクルマが待っていてくれました。
”うちのクルマでないと行けないから、乗り換えてくれ”
ちょっと困惑しつつ、乗り込み、いざ出発。でも、そもそも、道がない、、、一体どうするんだろう・・・なんと、人が歩かないといけないような狭い道に、先方のクルマが突っ込んでいくのです。

(おいおい、ウソだろう・・・)
かつて、世界中のコーヒー農園を廻り、ちょっとやそっとの山道では驚きませんが、これは、過去一でハードでした。そんな、めちゃくちゃな道を10分ほど進んだでしょうか。
ようやくたどり着いたのが、森悦高峰珈琲荘園。

元々は近隣の雲林県で不動産業を営んでいた呉振宏さんが一念発起して開いた農園なのだとか。ここで親族含めたファミリーでコーヒー栽培を営んでいらっしゃいます。
はっきり言って、この農園は外からは全く見えません。

木々に囲まれ、ドローンですら発見するのが難しいのでは・・・
話は飛びますが、スリランカの建築家ジェフリー・バワの代表作で、ヘリタンス・カンダラマというホテルがあります。
森林との共生がテーマで、外からはホテルを視界にとらえられないという非常に興味深いホテルなのですが、まさにこの地にいるとき、そんなバワの建築物を思い出されるほどに自然に溶け込んでいるのが印象的な農園です。
栽培されているアラビカ種の中心はSL34。

(ケニアでよく見かける品種だ・・・)
そして、農園で一杯頂く。
(あれ、全然違う・・・なんなんだ、この甘さは・・・)
トコロ変われば味も変わる。それは、もちろん分かっています。ただ、この農園を囲む大自然が生み出した、ここでしか味わえないSL34の甘味。

コーヒーを口に含んでも、ケニアの大自然が全く想起できない。。。ただただ感動を感じる瞬間でした。こちらの農園が台湾の様々な品評会で高評価を受けることは納得です。
”せっかくだからあれも食べろ、これも食べろ”
と、台湾バナナをはじめフルーツやらお菓子やらをどんどん食べさせる、台湾らしいホスピタリティと、呉さんファミリーのポジティブで明るい笑い声。
短い時間ではありましたが、台湾の奥深さを改めて知る時間となりました。
バイヤー小林