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《スタッフコラム No.8》『BLUE GIANT』~サックスプレイヤーと世界旅行~Written by 松下

2023.03.03

再び妄想旅行家、松下から3か月ぶりに皆さんこんにちは。

春の小川のさらさらが聴こえてくる頃となりましたね。冬に比べて、色も音も賑やかに感じる季節です。

音、と言えば、あー、限りなくあたまを空っぽにしたい、という時に選ぶ音楽は私にとってはジャズです。楽器と楽器の会話、時に熾烈な喧嘩を全身に満たすように聞いていると、雑念が取り払われていくような感覚があります。先日、楽しみにしていたジャズがテーマのアニメーション映画「BLUE GIANT」を鑑賞してきました。ひとことで感想を伝えると、「ライヴ観た…!」です。

『BLUE GIANT』の原作は石塚真一さんによる同名の漫画作品です。山岳救助をテーマとし、小栗旬さん主演で実写映画化もされた『岳 みんなの山』の作者さんと言えば「ああ!」と思われる方も多いでしょう。

原作『BLUE GIANT』がどのような話かをきゅっとご紹介すると、仙台で生まれ育った主人公、宮本大(ミヤモト ダイ)が仙台から東京へ、そして世界へ飛び出し、旅をしながら世界一のサックスプレイヤーを目指すジャズマンの話です。きゅっとし過ぎましたが、今尚連載中ですので、もし、仙台が好き、ジャズが好き、世界に興味ある、方は是非手に取ってみてください。映画では、東京編が描かれます。

鑑賞している間、音楽シーンの度に鳥肌が立っていました。劇中音楽を上原ひろみさんが手掛け、サックスプレイヤー馬場智章さん、ドラマー石若駿さんと共に、登場するサックスプレイヤー、ピアニスト、ドラマーの音を演じています。プロミュージシャンが役に合わせて音を演じるとは想像するだけで難しそうですが、いわゆる「らしさ」が感じられず、そこもまたそれぞれのファンにとっては新たな面を見られると思います。登場人物の苦悩や感情の熱のようなものまでが、全身の毛穴から伝わってくる素晴らしい演技(演奏)です。

一部モーションキャプチャ(人や物の動きをデジタル化するシステム。実際の動きをアニメーションにあてることができるので、よりリアルさを追求できます)を採り入れている為、音とアニメーションに違和感がなく、溢れる迫力と臨場感。鑑賞後、「映画を観た」のではなく、「ライヴ観た…!」と声が出るほど、スクリーンを通して派手に音を浴びることができました。

前出のとおり、原作は連載中で、主人公大はまだ旅の途中。訪れる国の人々や街角、自然の風景がとても丁寧に描かれているので、ページをめくりながら一緒に旅をしている気分になれるのも妄想旅行家としては大きなおすすめポイントです。

色を取り戻していく春到来。普段ジャズは聞かないという方も、衣替えとともに新しい風を感じてみてはいかがでしょうか。

※おまけ:原作カバーのタイトル部分のフォントが毎回異なり、それも楽しみ!!

スタッフ松下