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《スタッフコラム No.19》スペイン・バルセロナの太陽 Written by Tomoko

2023.10.13

朝晩、肌に感じる風が涼しくなり、季節の変わり目を実感する頃になりました。あんなに長くて暑かった夏ですが、いざ終わってしまうとちょっと寂しい気持ちになり、明るい太陽が恋しくなったりします。そこで今回は、まぶしい太陽が燦々と降りそそぐスペインはバルセロナの話をしたいと思います。

 

バルセロナはスペイン北東部、フランスとの国境に近い地中海沿岸の街です。私が訪れたのは夏の盛りでしたが、日中でも30度を超えないくらいで暑さは厳しくなく、空気がカラッとしていて晴れの日が多く、過ごしやすくて街歩きには最適な気候でした。

 

大通りは賑やかですが広い歩道と街路樹があり、オープンカフェでくつろぐ人やそぞろ歩きの人も多く、港町らしい解放感と人の匂いのする街です。

 

(バルセロナの大通り)

 

さて、バルセロナと言えば、アントニオ・ガウディの建築物が有名ですが、ガウディの「サグラダ・ファミリア」(聖家族贖罪教会)についてはご存知の方も多いのではないでしょうか。ガウディは19世紀終わり~20世紀初めに活躍した建築家ですので、サグラダ・ファミリアも設計・着工から百年以上が経過していますが、いまだ完成していないという壮大なプロジェクトです。

 

私が訪ねたのはもう十年ほど前になりますが、その時もまだ絶賛建築中でした。最寄りの地下鉄駅の出口から地上に出て、地図を見ながらサグラダ・ファミリアの方向にトコトコ歩いて行くと、突如、周りの普通の街並みの向こうにぬーっと暗い色の尖塔が頭をもたげ、そこだけ異次元みたいな只ならぬ雰囲気に包まれているのです。近づいていくと、独特の立体的な装飾が彫り込まれたファサードが威容を誇っていて、そのスケールに圧倒されます。思わず肌が粟立ちました。

 

(サグラダ・ファミリア)

 

ガウディの建築物は、サグラダ・ファミリアを含めその多くが世界遺産に登録されているのですが、バルセロナの街中でも見ることができます。街を歩いていると何気なしに前を通り過ぎてしまいそうなのですが、「カサ・ミラ」や「カサ・バトリョ」と呼ばれる、邸宅として使われていた建物もそうです。

 

カサ・ミラは、直線の部分がないと言われるほど、すべて波打つ曲線で構成されていて、まるで「住む彫刻」みたいです。ここに住んだら部屋が曲線だらけで家具の配置とかどうするんだろう、といらぬ心配をしてしまいます。

 

(カサ・ミラ)

 

カサ・バトリョも曲線的ですが、また趣がちがい、有機的というか生き物みたいに見えます。特徴的なのは外壁のタイルのモザイク模様。壁に色とりどりのガラス片が埋め込まれていて、それが光を反射してキラキラと輝き、昼間は青い海面、夜間はライトアップされて海底を思わせる幻想的な外観です。

 

(カサ・バトリョ)

 

バルセロナの中心部から少し離れた高台にあり、バルセロナの街が一望できる「グエル公園」もガウディ設計の作品なのですが、ここにも色鮮やかなタイルが随所に使われていて、カラフルでポップで明るくて見るだけで楽しい気分になります。敷地中央の広場の地下には柱が立ち並ぶホールがあり、そのホールの天井もガラスや陶器の破片でモザイク装飾されているのですが、その円形の装飾がひとつひとつデザインが違い、眺めていて飽きません。ずっと見上げていたくなります。

 

(天体をモチーフにした天井飾り)

 

ちなみに、グエル公園は最寄り駅からやや距離があり、駅からえっちらおっちら坂道を上ったところにあるのですが、その坂道の途中にお土産屋さんがあります。このお土産屋さんがまた可愛い。陽気なモザイクアートの門構えに誘われ、思わず中に入って彩り豊かなモザイク柄の豆皿を色違いで何枚も買ってしまいました。

 

(グエル公園近くのお土産屋さん)

 

普段、私は個人的にインテリアはシンプルな方がいい、食器もシンプルで色も柄もない方がいいと思う方ですが、このバルセロナの豆皿だけはお土産にあげてしまわず、手元に置いておけばよかったなと今になってちょっと後悔。カラフルなモザイク柄の豆皿はきっと使うたびにバルセロナの明るい太陽を連れてきてくれたことでしょう。

 

スタッフTomoko